2013年4月5日金曜日

国立国会図書館の「れきおん」サービスと「著作隣接権」

 国立国会図書館が19001950年頃のSP盤等に録音された様々なジャンルのデジタル化音源を聞くことができる「れきおん/歴史的音源」というサービスを始めました。民謡や詩吟等だけでなく、クラシックや落語、漫才なども無料で聞くことができます。



 「歴史的音源」というサービス名や、「19001950年頃のSP盤」という表示から見ると、単純に「著作権が切れたもの」と思ってしまいそうですが、実際にはそうではないようです。
 サービス内容が詳しく書かれた国立国会図書館のウェブページには、
「収録音源の著作権(著作隣接権)は、各音源の著作権者(著作隣接権者)に帰属しています。著作権(著作隣接権)の保護期間が満了した音源は、インターネットに公開しています。それ以外は配信提供参加館、および国立国会図書館の館内でのみ聞くことができます。」とあります。

 つまり、著作権や著作隣接権が切れた音源のみがインターネットに公開されており、権利が切れていないものは国立国会図書館等の館内でのみ聞くことが可能だということになっています。実際、インターネットで公開されているものは極僅かであり、残念な状況です。

●著作権と著作隣接権の違い
 ここで「著作権」と「著作隣接権」という言葉が出てきましたが、特に「著作隣接権」については初耳で「??」という方が多いと思うので、AKB48を例にして解説します。

 「著作権」とは、「曲」そのものの創作者に認められる権利であり、一般的には作詞家と作曲家に認められるものです。AKB48の略全ての曲の作詞家は秋元康氏だと思うので(たぶん)、AKB48の曲を他のアーティストが歌った場合であっても秋元氏には著作権料が入ってくるようになっているでしょう(推測です)。カラオケの場合も同様だと思います。

 これに対して「著作隣接権」は、著作物の創作者ではありませんが、著作物の伝達に重要な役割を果たしている実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者に認められた権利です。AKB48が実演(ライブ)を行ったときには、AKB48には著作隣接権が発生します。AKB48のライブをテレビ中継したときには、放送事業者にも著作隣接権が発生します。しかしながら、著作隣接権は著作物である「曲」そのものの権利ではないため、カラオケで著作物の「曲」が歌われても、著作権料は実演家等には全く入ってきません(あくまで原則です)。

●著作権と著作隣接権の保護期間の違い
 著作権の保護期間は、著作者が死亡した日から50年(より詳しくは著作者が死亡した日の属する年の翌年から起算して50年)です。
 一方、著作隣接権の保護期間は、実演、レコード発行、放送又は有線放送が行われたときから50年間(実演等が行われた日の属する年の翌年から起算して50年)です。

 ですから、著作隣接権が切れても、著作権が残っているということは多々あります。
 逆に、クラシックの音源の場合には、著作者は遠い昔に死亡しており著作権は切れているが、クラシックを演奏した実演家の著作隣接権が残っているということもあるでしょう。

以上

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