2013年5月22日水曜日

特許の標準化について

ここ数年、「標準化技術」や「必須標準特許」という言葉をニュースで耳にするようになりました。

「そんな言葉、聞いたことない」という方でも、アップルとサムソンが、特許問題で喧嘩しているという話は聞いたことがあると思います。

このアップルとサムソンの争いにも「標準化技術」や「必須標準特許」という話が絡んできます。


では、「特許の標準化」とは、どういったことでしょうか?

特許権とは、特許権者に独占排他的に特許発明を実施することを認める権利です。
つまり、特許権が付与されると、特許権者以外の第三者は、特許発明を特許権者に無断で実施することはできなくなります。

しかし、その特許発明が、誰でも使いたくなるような基本的なものである場合、或いは、その特許発明が、誰でも使えるようにしなければ社会の進歩発展を阻害する程度にまで必然性がある場合には、その特許発明は、その分野の標準技術ということになります。
換言すれば、その特許発明は「必須標準特許」ということになります。



このように特許発明が「必須標準特許」となっているにも拘らず、他社に対して極めて高額なライセンス条件を提示し続けるていると、我国を含む各国において、独占禁止法違反で処罰される可能性があります。



実際、欧州でサムソンがアップルを特許侵害で訴えていた事件では、サムスンが保有する通信技術に関する特許発明は「必須標準特許」であると認定されました。

そして、サムソンの「必須標準特許」の扱いが独占禁止法の違反にあたる疑いがあるとして、欧州連合から提訴されました。

さらに、独禁法違反だから特許権は無効であるとして、サムソンのアップルに対する訴えは退けられました。



欧州連合では「必須標準特許」となると、技術の広汎な普及を目的として、「公平で妥当かつ差別のない」(Fair, Reasonable and Nondiscriminatory:FRAND)なやり方で他社へのライセンス提供を行うことが求められます。


サムスンは1998年に、欧州電気通信標準化機構に対し、同社が保有する通信関連技術の特許を、このFRANDの原則に沿ってライセンス提供すると約束していました。

ところが、サムソンはアップルに対して、これらの通信関連技術の特許の侵害を根拠に、iPhoneなどを対象とした販売差し止めを求める訴えを起こしました。
その結果、独禁法違反として、敗訴という結果になりました。


一つの企業がその「標準」や「標準の周辺」に関する特許権を独占している場合には、その企業は、他企業との差別化を図ることで、利益を大きく伸ばすことができます。

また、他企業との間で、有利な条件でライセンス契約を締結することも可能です。

しかし、これをやりすぎると、ブーメランのように自分に帰ってくるということです。

以上
(弁理士森本聡)


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したがいまして、法律的には正確とは言えない表現を用いている場合もあります。

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