2013年5月29日水曜日

「シャンパン」と商標の関係

今回のテーマは、お酒の「シャンパン」の話です。


まず、「シャンパン(CHAMPAGNE)」は、発泡性ワインの総称でもなければ、発泡性ワインの普通名称でもありません。


「シャンパン」はフランス国内の地名です。

また、お酒の「シャンパン」とは、フランスの(シャンパーニュ地方)の発泡性ぶどう酒(スパークリングワイン)を示す大ブランドです。

このような大ブランドである「シャンパン」を保護するため、我国の商標法や不正競争防止法には特別に種々の規定が設けられています。


商標法による保護について

まず、この種のぶどう酒の産地の名称は、商標法で不登録商標の一つとして挙げられています(4条1項17号)。

具体的には、「特許庁長官が指定したぶどう酒の産地名を、その産地以外の地域を産地とするぶどう酒に付けて商標登録出願しても登録しませんよ。」という規定があります。

(つまり、「「大阪」をぶどう酒の産地名として特許庁長官が登録した場合には、大阪産以外のぶどう酒に「大阪」と付けて商標登録出願しても登録しませんよ。」という規定です。)


また、「世界貿易機関の加盟国で、その地域以外のぶどう酒に使用することが禁止されている商標を、その産地以外の地域を産地とするぶどう酒に付けて商標登録出願しても登録しませんよ。」という規定もあります。
(つまり、「「シャンパン」はフランスでシャンパーニュ地方以外の産地のぶどう酒に付けることは禁止されているため、これをシャンパーニュ地方以外の産地のぶどう酒に付けて商標登録出願しても登録しませんよ。」という規定です。)

以上のように、指定商品「ぶどう酒」について商標「シャンパン」を出願しても、絶対に権利を得ることはできないようになっています。


また、ぶどう酒以外の商品を指定商品・役務とする「シャンパン」を含む商標は、公序良俗違反だと判断されることもあります。

過去には、飲食物の提供等を指定役務とする「シャンパンタワー」や、シャンパン酵母を用いて醸造したビールを指定商品とする「シャンパンビール」や、ウーロン茶を指定商品とする「シャンパン烏龍」などが、一旦は登録となったものの、その後に異議申立や無効審判によって商標登録が取り消されたり、無効とされています。


但し、異議申立で商標「シャンパンゴールド」の商標登録が維持された例があります。
具体的には、「化粧品をはじめ各種商品に採択される色彩の一に「シャンパンゴールド」と称される色彩が存し、それを表す語として当該文字が普通に使用されているのが実情である。」として、「肌にシャンパンゴールド色の色調を付加する効果を有する日焼け止め用化粧品」を指定商品とする登録商標が異議申立で維持された例がありました。


不正競争防止法による保護

不正競争防止法では、「ぶどうを原料又は材料とする物の原産地の名称であって、普通名称となったものであっても、著名表示冒用行為や周知表示混同惹起行為、原産地表示誤認惹起行為などの対象となりますよ。」という規定があります。

つまり、「ぶどうを原料とする物(ワインなど)の原産地の名称(例えば、シャンパン、シャンパーニュ)が普通名称化したとしても、勝手に使うと、不正競争防止法の不正競争行為になりますよ」という規定です。


これ以上書くと、シャンパンが不味くなりそうです。


以上です。
(弁理士 森本聡)

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したがいまして、法律的には正確とは言えない表現を用いている場合もあります。

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